しかし、早苗は何としても…小絵に理解してもらいたい。
そして、息子の側にいてやってほしい…そう願うばかりである。
それを実現するのは、とても困難なことかもしれないが、
やってみるしかないのだと、早苗は腹をくくった。
その時点では、早苗は愛という…形の無い、
しかし、すごい威力の塊が存在することを知らない。
もちろん…小絵の内なる愛の記憶である。
ことわざに…岩をも貫く想い、じゃないか…意志がある。
ひょっとしたら、愛という想いの塊は………早苗の前に立ちはだかる、
大きな岩のような、悩みを見事に砕いてくれるかもしれない。
『小絵の愛の記憶は…ダイナマイトのように起爆剤となることを祈ろう……』
さよの独り言?
さてどうしよう…早苗の考えあぐねた………ことは、
早苗は、小絵のいるホテルに向かっていた。
病院からは…徒歩五分である。
そんな近くにいたのに、何故会うことが出来なかったのって、朝子がいたから?
心配無用だったみたい。
小絵は、圭介がICUにいた時、すでに会っていたのだ。手引きしたのは…
早苗の弟、つまり叔父だ。早苗は…何も知らなかったのだが、
早苗は、歩きながら…
『こんな近くにいたのに…会いに、こようと思えば、 これたのにね。
おかしい…会いに来ていたかもしれないね』
病院で…小絵とは一度も出くわしたことは、無かったのだが、ありえると思った。


