早苗は、その勢いで……… 圭介の病室に戻ったのだが…早苗が目にしたのは…
朝子と息子の圭介が笑顔で、娘と父らしく話をしている姿だった。
『おばあちゃんの出番は、 無さそうね。
あの二人の様子は、わかりあった証拠だわ…
良かった〃』
早苗が先程まで、屋上にいた時には考えられないような状況になっていた。
『私が、任せてなんて〃
言ったとたんに…
叶っているじゃない…あの人が、夫が言ったとおりだわ…』
早苗の希望的思い込みだったかもしれないのに…
自分の願望どおりだから、驚いた。
『朝子ちゃん〃
お父さんに渡してやってね…例のものをね。
もう大丈夫よ〃
圭介は、それを見たからといって、驚かない…
それに、嬉しくもないはずだよ………朝子に嬉しい顔なんて見せるはずないから………』
早苗の目に写った…次の出来事は………
-お父さん〃
はい…これね、お母さんから預かっていた書類よ、
どうぞ〃-
早苗は…今まさにシンクロニシティが起こり、
自分の目の前に必要な運命の曲面が見えていることをった。
圭介は、少しは思いがけない顔をして見せたが………
やはり、朝子の前だということだろうか。
嬉しい顔なんて見せない… 反対に、難しい顔をしてこう言った。
「朝子に…許してもらってないから、
お父さん…なんて言ったら………いいのだろう」


