「朝子ちゃん、ずいぶん苦しかったでしょう。
おばあちゃんもね………
ついこの間…知ったばかりなんだよ。
ほんとに、びっくりしたんよ。悪いのは圭介なんだけど…この有様じゃあ、
叱ることもできなくてねえ…何せ病人なんだからね。
でも、朝子ちゃんが知っていたとはねえ…
辛かったろうね」
-最初の頃はね…
毎日ね、東京の自分ちの家のベッドで泣いていたわ。
布団を頭から被って、思い切り泣いてた。
だから、明くる朝…鏡を見ると瞼が腫れて、不細工だから困って〃
いろんなことしてね。瞼の腫れているのを治したのよ…-
「朝子ちゃんが瞼を腫らしていたら、お母さんは不審に思わなかったのかね〃」
-さっき…お母さんも、お母さんだしって、朝子言ったでしょ〃
お母さんは、朝帰りがほとんどだから、自分のベッドで寝ているのよ。
だから、朝子の顔を見ることは無かったの〃-
早苗は、あまりのことに…絶句していた。
『こりゃ…だいぶんひどいわ〃
えらいことに、なっていたんやねえ…
朝子がどっちもどっち…と、言ったのはうなずけるわね…』
早苗は、朝子に何か言おうとしたのだが、言葉が出なかった…


