それは、妻の啓子が朝子に託した極め付きの離婚届…
朝子に圭介が生きていたら渡してほしい…
死んでしまったら、渡さないでって…託した代物である。
妻の復讐としては、してやったりだろう………
そんなことが出来たのも… 紙一枚で繋がっていた夫婦だからだろう…
圭介は朝子が渡したいと…
離婚届を自分のバッグにしのばせていることなど知らない。
自分が目を開けたら………可愛い娘の朝子がいる。
懐かしい母の早苗も…
『ごめん〃
朝子、母さん………
でも、違うんだよ〃
やっぱり、小絵とヒカルに会いたいんだ〃
悪く思わないでほしい…
こうして…戻ってこれたのも、
小絵に会いたい〃ヒカルに会いたいという思いで、
必死だったからなんだよ』
圭介の目から涙が溢れた…閉じたまぶたの目尻から、 流れ落ちていた。
-おばあちゃん〃
見て、お父さんが泣いている…涙がこぼれてる-
「可哀相にね………
この子は、悲しい夢を見ているのだろうね。
早く、目を覚してちょうだい。そんな悲しい夢からは覚めたほうがいい… 」
圭介の涙は止まらない。
朝子にも、母にも申し訳なくて………


