その瞬間には… … …
圭介の身体の中には…
ありとあらゆる情報が神経を伝わり、意識の中へと取り入れられていた。
そして、圭介は再び眠りから覚めた…
『やっと、帰ってこれたんだ…瞼を開けたら…
いや、もう少しこのまま…目を閉じていよう………』
-おばあちゃん〃
ちょっと来て、お父さんの瞼が動いたの〃-
「ほんとなの、動いたのね…やれやれだね〃
朝子ちゃん、心配かけるわね。
この子は眠っているだけなのに…と言われてもね。
つい、意識が無くなったのではと…心配になるのよ」
-お父さんは、どんな夢を見ているのでしょうね。
朝子のことも夢の中に入れてくれたかしら…-
「もちろんだよ〃
今頃、朝子ちゃんに会ってるかもしれないよ」
-そうだといいんだけど…
朝子、お父さんに渡したいのよね〃
だから、お父さん早く目を覚してちょうだい〃 -
朝子が渡したいものとは… 妻の啓子が託した離婚届の用紙である。


