鳩が言うように、人間同士として出会った過去があるとしたら…意味はあるのか…
圭介の頭は回転木馬のように…同じ場所を回っている…
『二十年も前のことなのだよ…覚えているわけがないのだ…若い時の記憶だ』
鳩は、悲しそうな目を向けると、こう言った…
-あなたは、覚えていないとしても…私はあなたを忘れていないわ〃-
鳩が言うには…
タヒチの海辺にいた圭介が寂しそうに見えた…
近付いてみたら、自分の好きなタイプだったから…
一目で気に入り、一夜を共にした。
その後七日間、夜だけだが共に過ごした…そして圭介は日本に帰国した。
『そんなあぁ…
じゃあ、何で今は鳩なんだろう…』
すかさず、鳩は答えていた。
-私は、ニンフだったからよ…今は鳩ですが。
ニンフは、人間を好きになってはいけないのだと言われていたのに…
掟を破り…愛してしまった。そのむくいとして、鳩になってしまったのよ。
でも私は、悲しくないわ… だって、どこにでも飛んでいけるからよ…
こうして、あなたに再び会えることになったのも… 鳩になったからなのよ-
『あのぉ…僕は会えたという思いはないんだよ。
君だけなのだと自覚してよ ………』
圭介は、胸の中に言葉を連ねていた。


