鳩はマストのトップに止まっていた…圭介の言葉に驚いたのか、又丸い目をクルクルさせた。
そして、こう言った。
-圭介〃
思い出せないの…
あなたは、この海を知っているはずだわ〃-
「そう、僕の記憶が途切れているんだ。
どこかで、見たことがあるんだ。その場所が思い出せないのだよ」
-じゃあ~教えましょう。
タヒチの海なのよ、ここは… -
「タヒチの海ねえ〃
でも、僕はたしかアメリカの西海岸のヨットレ-スに挑んだはずなんだ」
-そう、あなたはヨットレ-スに挑んだ…
場所は、カリフォルニアのサンディエゴだった。
今から、二十年も前のことなの-
「でも、カリフォルニアのサンディエゴの海から…
このタヒチの海に、どうしているんだろうね」
-あの日、夜の海辺に…
あなたは、一人いたわ。
私はあなたを一目で好きになり、声をかけた-
「君が僕に…
だって鳩さんでしょ〃」
-いいえ違うわ〃
その時は、女の子だったのよ-
鳩の言うのには…
つまり、人間の姿をしていたというのだ。
またもや、不思議の国のアリスちゃんになって行く…


