圭介が近付きたくないのは、その洞窟からは、風が渦巻くような音が聞こえてきたからだ。
ヒューヒューヒュール~
という音が、身体ごと吸い込まれそうな気がした。
思わず身震いした圭介に鳩はこう言った。
-すごいでしょ〃
風が、いいえ違うわ。
風の妖精フォレットたちが集まっているのよ。
この場所には、イタリアの大地の亀裂から生まれた風のフォレットたちが集まるの。
あのフォレットたちは、世界中を巡り、いろんな風を起こして、今帰ったところだわ…
風のフォレットたちには、休む間がないの、でも百年に一日だけ休めるのよ!
だから、今帰った風のフォレットたちが休みに帰ったのは、百年前のことなの…
そんなわけだから、きっとすごく嬉しいのでしょうね。
もちろん、百年って言っても、地球の星の百年じゃないのよ。
でも、風のフォレットたちが、休みを終えて帰る時には…もうそりゃあ、大変だわ〃
いろんな風になって、帰って行くわけだから…
圭介には、想像もつかないでしょうね-
想像もつかないこととは…どんなことなんだろう。


