歩き出してから…かなりの時間がたっていた。
もう、自分の目にしっかりと入っている、向こうに見えている白い光りが…
『もう少しだ〃
だから、焦らずに歩こう』
圭介は、そう自分に言い聞かせていた。
最後になって、怪我でもしたら、今までの苦労が水の泡になる。
まだまだ終わりじゃないからだ。地球の海に出られたとしても…
そこに、船があるのかどうかも、わからないからだ。
またもや、例の鳩がどこからかやって…圭介に囁いた。
-もう少しよ。
ほら、あそこに見えているでしょう-
鳩の言う…
岩場の洞窟が騒がしくなりだしていた。
「あれっ〃
鳩さん、岩が重なってる場所じゃなかったの、見えているのは洞窟だよ〃」
-いいえ!
岩場には、重なっている場所もあるのよ。
それに、風の洞窟もね-
「へえ~風の洞窟がねえ~
どうしてあんな所にあるのだろうね〃
僕には、さっぱりわからない、君なら、お見通しかもね〃」
-圭介、お見通しだなんて〃 私たちは妖精だから…
だからなんですよ…
何でも、見通せてしまうのね、しかたがないでしょ-
「それで、君が僕をあの洞窟へと連れて行く理由は… 教えて下さいよ〃」
圭介は、鳩を信じていないということではないのだが、
見えている場所があまりにも、近くになると…
なんとなく不気味に思えてならなかった。


