『ほんとうに、静まり返っている。おまけに暗い…
それに、危険極まりない。岩は海に突出ている部分は少しだ。
だが、その下には…
かなりの岩場が広がっているに違いないからだ。
うまくいけば、着岸出来るが、失敗したら船は座礁することになる。
昔にも、こんなことが、あったよなあ…
あれはたしか、オ-クランドのヨットレ-スだった。
あの時の経験を生かせばいいのだ〃』
岩の具合を見るのは、むつかしいことだ。
経験はあるのだが…
しかし、躊躇している時間は無かった。
だから、もしもだが…
失敗したら、泳いで上陸すればいい。
そう決心したら、勝手に船が進んでいる。
自分は舵を握っているだけだ。不思議だった…
そう、ふぁり、ふぁり~
という具合に船は進む。
やはり、この世の海ではないからだろう。
岩に突き当たっても…
ガリッという音もしないし、
船は確実に岩場を撫でて進んでいるのだ。
ついに、船は着岸していた。それも岩場に乗り上げるようにして…
-さあ、着いたわ。
ご苦労さま、圭介…
いよいよですよ。
船から降りて岩場に移りなさい。
そして、向こうに見えている白い光りが射す方へ行くのよ-
鳩の言った、白い光りが射しているところとは…
圭介の目に微かに見えている白い光りの正体は…
次々とやってくる、不思議なことに、立ち向かわないわけにはいかないのだ。


