しかし、いつまでも悲しんではいられない。
圭介は、海辺にある森へ目を向けた。
その森の後ろには、高い山がそびえている。
そして、その森への一本道が続いている。
圭介は、ふと…その森をのぞいて見たくなった。
足取りは、ふらついてしまったが、それでもかなりの奥へと入っていた。
葉がぎっしりと絡み付くようにして、大きな木が立っていた。
その木の根は、所々地上に飛び出していて、足元はかなりあぶなかった。
そこを抜けると、思わぬほどきれいな青草の生えた草原になり、広がっている。
ほっとした圭介は、その草原の青草の上に寝転んでいた………
顔の上に広がっている空は、限りなく青くて、その澄み切った色は、この世には無い色だ。
だから、やはりここはまだ、人間界からは、ほど遠いところらしいと悟った。
いつの間にか、圭介は心地良くなり、そのまままどろんでしまっていた。
微かな、心地良いまどろみに、目を開けようにも…どうにもならない。


