-圭介は悪くない〃
ただ縁が切れただけだよ。
人には、それぞれ縁の長さがあるのだ…
神様が、決めた長さなのだが、その時がくれば…
自然に切れていくものなのだ〃
だから、反対に縁を繋げたままにしていたくても、
縁が切れて、泣く泣く終わることになる。
人間なんて、たかが知れている。百年も生きられる人が何人いるだろう。
人間の一生のうちの…
ごく僅かな時間なのだ。
圭介心配するな〃
もう、とっくの昔に縁は切れている。
圭介は、この後孫の碧と、嫁の小絵と長く暮らせるからね。
それに、もう間もなく会えることになっている。
だから、しっかりするのだ。
啓子の怖い顔が、ちらついていたら、駄目だ〃
男なら、踏ん切りをつけないと〃 -
「ありがとう、お父さん。
死んでからも、ご心配をおかけしまして、申し訳ありません」
-何を言ってるのだ〃
親子なら、当たり前だよ。
放っては、おけないさ〃
さあ、元気になってみんなを安心させてやりなさい。
あっ、とうとう時間だ。
もう、帰らないといけないのだ。
圭介との逢瀬はこれまでだ、わかったかい〃-
「はいわかりました。
ありがとうございました。
僕頑張りますから、お父さんも安心していて下さい」
-圭介、早苗を頼むよ。
私は、これで又もといた所へ帰るだけだ。
あとのことは、万事よろしく頼む。
時々は、夜空を見上げて…銀河の星を探しておくれ。
そのうちの一つが、父さんだからね。
じゃあ、これでほんとうに、さらばだ〃-
父親が、そう言い残して…目の前から…消えた。


