圭介も、父親のような経験をしたとしたら…やはり、同じことを考えたであろう。
圭介は再び父に話し掛けていた。
「お父さんは…
それから歩いて山越えされたのですね 」
「そうだ、
とてもじゃないが、きつい峠だったよ。
それでも、どうにかその峠を越えて、スペインへと入っていた。
すると、思わぬ光景が繰り広げられていた。
目の前には岩盤が広がっていいて、その岩盤がえぐり取られていたのだ。
そして、その岩盤の中には修道院が建っていたのだ。
私は、思わぬ厳粛な光景を目にして、手を合わせて祈っていた。
すると、自分はしばらくは、ここにいて祈りの時間を費やそう…
そういう気持が湧いてきたのだ。
それで、しばらくその修道院にとどまることになったのだ。
それからは、毎日が祈りの時間となったのだが…
ある日のこと…
幾日たったのかは、わからないのだが、
急に、地球に残されている家族のことが、思い出されてね。
すると、どうだろう…
自分の目に、スクリーンのように写り、見えるのだ。
だから、いつも君たちのことは見ていたのだよ〃 」
「あまりにも、現実とはかけ離れている、お話ですね。
でも、僕は何故か信じることができました。
理由は分からないのですが。お話を聞いていて、そう思いました。
僕のお父さんに、違いないのですから…
それに、お母さんだって同じ思いだと思いますよ …」


