『僕は、たしか…あの銀河の星に向かって、
船を漕いでいたはずだ。
そして、その中の星の一つが爆発した。
すると、砕け散った無数の小さな星たちが、流れ落ちていった。
その流れ落ちてゆく星たちは、赤い炎を燃やしながら、 落ちていた。
そのあとで、僕は銀河の星の渦に、飲み込まれてしまったのだ。
しかし、その瞬間から、僕の記憶は途切れてしまっている。
きっと、あの赤い光りの星は…あの時、爆発した星だ。
何らかの理由で、とどまって… いるのかも』
圭介は、先程伏せた手鏡を再び、かざそうとしたが、
思いあまって、やはりやめていた。
そんなことより、今は妻との離婚を、速やかに成立させることの方が大事なのだ。
あの赤い光りの星は、どうでもいいことなんだ。
そう思うことで、我にかえっていた…
それからは、圭介が再び眠りにつくのに、さほどの時間はかからなかった。
いつの間にか、ベッドの上で安らかな寝息をたてていて、
空の銀河の星たちは、圭介が寝入るとすぐに、姿を消していた。


