その後、朝子はそのことはおくびにもださず、
父親の圭介に会っても、ただ心配そうにしているばかりだった。
やはり、女の子は父親を恋しがるのだろうか…
もし、そんな朝子だとしたら…
離婚問題が表沙汰になれば、どんな気持になるだろうか…
この父親を憎むようになるのか、それとも、恨みに思うのか…
そんなことを考えただけで…又頭が痛くなってきた。
『しかし、僕は朝子の父親だ。親としては最低の失態かもしれないが、
その真意は、大人の女になったらわかるだろう。
父親ではなく、男の気持とやらは、彼女には、今は無理だ!
いずれ先には、わかってくれるだろうが、
いや、わかってくれることを願っておこう…
そして、一日も早く妻の啓子とは離婚し、小絵と結婚して碧の父親としていっしょにいたい 』
圭介の考えていることといったら、小絵と息子の碧のことばかりである。
身体は身動き出来ないのだが、頭は冴えているから、 そのことばかりが浮かんでくる。


