さらに、途切れていた記憶を繋ぐ…
あの時の反対車線を走って来たトラックのライトが、
やけに眩しかったことを、思いだしていた。
それからの記憶はぷっつりと切れている。
自分はその後、あの悪夢の中へと入って行ったのだ。
そんなことを考えていたら、東京にいるはずの、別居中の妻の顔が浮かんでいた。
あの時の醜い顔、この世にはありえない…
その顔は忌々しい目付きで目の前に迫っていた。
『ああぁ…もう駄目だ!
思いだしただけで、身の毛がよだつ…
勘弁してくれ、啓子〃
もう十分だ。
まてよ〃…たしか夢の中では女神が助けてくれたはずだ。
そして、あの醜い女は海の底の無間地獄へと落ちたはず…
すると、実際に生きている、東京の妻の啓子はどうしているのだ。
わあ、もう何が何だかわからなくなってきた〃』
記憶の途切れている…
隙間に入り込んでいる。
非現実的な出来事〃
そのことから、開放されるのは、ずっとあとになる。


