-姉さん、起きて〃
圭介が目を覚したんだ-
「えっ、ほんとうなの〃
大変だわ、私眠ってしまっていたのね。
ごめん、私の身体を起こしてくれない…
何だか、からだが固まってしまっているの」
-わかった。
起こしてあげるから〃-
早苗が弟の手を借りて、身体を起こした時…
ベッドに寝ている圭介が微かに動いた。
慌てて、圭介のそばに駆け寄った二人は、じっと圭介の動作を見守っていた。
やがて、圭介は瞼を重たそうに開いて、目を見開いた。
「圭介 〃母さんよ〃
わかる、わかるのね。
良かった。
圭介が、目を覚ましてくれて… 」
-良かったね。
姉さん、これで少しは安心だよね。
後はね、徐々に回復していくのだから…そうだよね-
「そうね、そうよね。
圭介も一度では無理よね。 ゆっくりと回復に向かうのね」
夫の言ったとうりに、圭介はこの世に蘇ってくることができた。
早苗は『あなた、ありがとうございます♪
神様に心から感謝致します…』
そう、胸の中で言った。
しかし、夫のことが心配になり、不安がもたげてきた。
今頃、夫は自分のもといた巡礼路に…無事に着いているのだろうか。


