「わかりました、あなた… ほんとうですよね。
こうして貴方に再会できるなんてね。
考えられないことですわね。圭介が蘇ることを信じて、
神様に心からお祈りいたしますわ…」
-その言葉を聞いて安心した。これで心おきなく早苗を置いて帰ることが出来る…
私は、巡礼の途中なのだ。 だから、もといた修道院へ又戻らなくてはならない-
「そうでしたね。あなたが戻られるという修道院…
どんな所なのでしょう」
-サンティアゴ巡礼路の出発点に、近いところにあるのだが、
そこはフランスとスペインの国境の近くだ。
巡礼者が、フランスからピレ-ネ山脈を越えて、
スペインへと入るのだが、
そこにあるのは最初の難関、レオポエデ-ル峠だ。
そこを過ぎて、やがて見えてくるのは岩盤だ。
その岩盤をえぐり取り、
その中に建てられている。
十世紀頃に建てられたものらしいが、今も粛々として、巡礼者を待っている。
私は、しばらくはその修道院にいて、祈りたいと思い…いたのだが。
いずれは、イベリアの半島のガリシアにある聖地を目指すつもりでいたのだ。
その聖地は聖ヤコブ様が眠る、キリスト教の三大巡礼地の一つ………
聖地サンティアゴ・デ・コンポンステ-ラへと向かう。
そこには、聖ヤコブ様を讃える大聖堂があり、
祭壇の下には、銀の柩の中で聖ヤコブ様が静かに…
眠っておられるのだ-


