夫も祈っている。敬虔なその姿を見た早苗は感動していた。
その夫は、かっては早苗の愛する夫だったが、今は別人のように思えた。
過去の夫は静かな人であったが、今早苗の目の前にいる夫は、頼もしい人に見えた。
圭介を見守る夫は、何か胸に燃えるようなものを、
抱えているように、思えてならなかった。
『そうよ…あたりまえだわ。
この人は、今敬虔なクリスチャンであり、
一人の修道士なのだから』
早苗は夫と共に、圭介のことを見届けようと、気持を新た天空を見上げた。
早苗には、何一つ見えない。
しかし、天空の圭介の姿、それに乗っていたはずの船も跡形もなく消えていた…
-早苗、圭介はどうやら無事にあの銀河の渦の中に、入ることができたようだ。
しかし、目にすることができるのは、ここまでだよ。
後のことは、神のみぞ知る世界だからね〃
私たちには、どうすることもできないのだ。
圭介の魂だけが、あの銀河の星の一つに合体されるそうだ。
すると、流れ星となって…この地上に戻れるのだよ-
「あなた、何度も言ってごめんなさい。
でもそんなことが…
あの天空で起こっているとは、とても信じられない気持です… 」
-そうだろうね…
この私でさえ、我が子のこととなると、不思議に思えてしまう。
しかし、私は今、修道士として敬虔なクリスチャンである。
その私が、信じられないとなると…
神の存在を否定することになる。恐れ多いことだ。
私は、神の許しを得てここにこれたのだよ〃
でなければ、こうして再び早苗に会うことができただろうか…
早苗、信じるのだ〃
圭介のために。
そして、神に祈るのだ〃-
早苗は、夫の真に迫る…
その目と言葉に圧倒されていた。
しばらくの沈黙がつづいた…そして、早苗は答えた。


