-早苗〃
何も心配しなくても、いいんだよ。
聖ヤコブ様が、助けて下さるそうだよ。信じるんだよ。
天から見ておられるよ。
ほら、天の川が見えているだろう-
「あなたは、天の川からいらしたのね… 」
-そうだよ、そのとうりだ。
あの星がきらめく銀河の道を走って降りて来たんだ。驚いているね〃-
「もう、どうしようもないくらいですわ〃
信じられないけど… あなたを信じるしかないのよね」
-そうだね。
信じる他ないのだよ。
だってね、僕は今巡礼の途中なのだ。
それなのに、降りて来たんだからね。
私はスペインのレオポエデ-ル峠にある修道院にいたんだ。
その修道院は岩盤の上に建っている。
その日、夜明け前には雲海に包まれて、
浮かぶようにして姿を現していた。
そして、聖ヤコブ様に私は呼ばれたのだった-
「その聖ヤコブ様は、とても偉い方なの… 」
-偉い方なのとは、とても恐れ多い方だ。
私が、お仕えしているからという訳ではないのだが-
早苗はあっけに取られている。話があまりにも現実からは…離れているからだ。


