-驚くのも無理は無いがね。私はここ日本からじゃないのだよ。
スペインからやって来たんだ-
「どうして、そんなところからいらしたの。
私は信じられませんわ〃」
-そうだろうとも…
私だって、今だに不思議な日々が続いている。
しかし、ほんとうに今いるところはスペインなのだ。
そこでは、聖ヤコブ様にお仕えしているのだ。
ずいぶんと古い昔にもお仕えしていたらしいが…
ここまでたどり着くのは、至難のわざだった-
「そんなことが… ありえますかしら… 」
-早苗も、こちらへ来ればわかるさ〃
いずれは君もね-
「そりゃそうですわね。
いずれは、私もそちらに参りますわ 」
-そんなことは、急ぐことはない〃
今は息子が大変なんだから。私はじっと見ていたのだが、
耐えられなくなって、降りて来てしまった。
天の川を渡ってね〃-
「七夕さまのことでしょ〃 天の川って、そうよね」
-それがね、スペインでは違うんだよ。
天の川は、聖ヤコブ様の道と言われているんだ。
その星の光りが、聖地を照らし…聖ヤコブ様の墓地が見つけられたのだという…
伝説はあったのだが、来てみればほんとうのことだった-
早苗に感慨ぶかそうにそう言った。


