-もう、しんぼうできないや〃
ここまで、黙っていたんだから…言ってもいいよね。 圭介〃-
「いったい、何のことなのよ、わからないわ」
-あのね、姉さん驚かないで下さいよ。
圭介にはねえ、女の人と…子供がいるんだよ。
小絵さんという人でね。
男の子が一人いるんだ。
もちろん、圭介の子供だよ。名前は碧っていうんだ-
それを黙って聞いていた、母の早苗は驚いた様子も見せずに真顔でこう言った。
「そういうことがあったのね。圭介も男だからね。
嫁には相手にされないのだから、そんな気にもなるわねえ〃 」
-イタリアに行った時に知り合ったそうだよ。
ジュエリーデザイナーをしているらしいよ-
「その早苗さんという人が生んだという男の子は、
幾つになってるの」
-二つにはなっていると思う…事務所の机に写真があったから見てしまったんだー
「小絵さんて…どんな人なの、それに、その小さい男の子はどんな子なの…」
-小絵さんは小柄な人でね、可愛い感じのする人だよ。
男の子は圭介の幼い時にそっくりなんだ〃-
「ほんとうなの!
この子は小さい時には、可愛い顔をしていたからねえ…」
早苗は、息子の小さい時にそっくりだという…
その男の子とガラス越しに見る息子を重ねていた。
『圭介母さんは、驚かないよ。むしろ嬉しいことよ、だから、早く起きて〃』


