その日が近いことを、鳩が知らせてくれるだろう。
そんなことを考えてたら…
小絵の胸が、苦しく締め付けられていたのが、少し楽になっていた。
だが、あの夢の中の女神…
それに鳩、指輪、月桂樹など、いくら考えても合点がいかない。
思い当ることがないからだ…小絵の知っていることといったら、
鳩は平和の象徴、それからキリスト教では、聖霊の使いと言われている。
ギリシアの神話に鳩が登場するのは、ビ-ナスの女神の物語である。
月桂樹のことは、音楽の神アポロンに、好きだと言われ、
追いかけられたニンフが変化したものだ。
-逃げないで下さい!
川の神ペネイオスのお嬢さん…
私はあなたを愛しています。結婚してください♪
愛するニンフのダフネよ~-
しかし、ニンフのダフネは風よりも速く逃げていきます…
美しいダフネが、さらに美しく見えてしまう…
しかし、愛や結婚なんて大嫌いなダフネなんです。
それなのに、しつこく追いかけるアポロンから、
逃げるために、最後に取ったダフネの手段…
父神を呼び、こう願いました。
-お父様、助けて〃
どうか私を隠して下さい。
それが叶わないのでしたら、私の姿を違うものに変えて下さい〃-
父神はダフネを助けるために、月桂樹の木に変えてしまったのである。


