小絵が眠りについてから、 どれくらいの時間がたったのかは…わからない。
それなのに、海の向こうから何やらバタバタと…
羽根の羽ばたく音が近付いたかとおもうと…
鳩が飛んで来て、小絵の肩にちょこんと止まった。
夢の中の鳩に瓜二つのようだ。そしてこう言った。
「小絵、よく聞いてね。
彼は怪我をして病院にいるわ。
この七夜眠り続けているの…
小絵と碧に会いたくて…
ここにやって来たみたい。
どうやって来たのって…
それはね、海を渡って来たのよ。
あの冷たい海をね…
よほどあなたたちに会いたかったのね。
今夜も、もうしばらくしたら、ここにやって来るはずだわ。
でも、もう大丈夫よ♪
彼がここに寝てしまったら、
この月桂樹の若枝で撫でておやり…
そうしたら、小絵も黙ったまま寝ておしまい。
きっと、今度はヨットに乗って、会いに来るようになるからね。
大丈夫元気になって、
会いに来るようになるさ…
可愛い息子の碧と愛しい小絵が待っているのだから」
そう小絵に言った鳩は…
再びどこかへ飛び立った。


