小絵は自分の指にはめられた指輪を目に近付けて眺めていた。
『なんて!可愛い鳩なんだろう。こんなに小さくても精密に細工されているわ』
小絵の目はジュエリーデザイナーになっている。
その小さな鳩は今にも飛び立ちそうに思えた。
羽根を少し広げているからだ。その羽根は細かい透かし模様になっている。
小絵が、イタリアに留学していた時のことだが…
「小絵、こんなふうに透かして彫るやり方を、
フィレンツェ彫りというんだよ」
そう言って、ヴェッキオ橋の上で、店を構える金細工職人が教えてくれた。
そんな精密に彫られた羽根にふさわしく、
鳩の目には、小さな粒のラピスラズリが埋められていた。
しかし、小絵の指に何故女神のような女が、指輪をはめたのかは、まだよくわからない。
ただ小絵はその指輪の可愛い鳩を見つめているだけ…
「小絵♪この指輪は私の分身のしるしなのよ。
やっと会えたわ…これで、どこにいても…
いつでも助けてあげられるわ♪
小絵が困った時には…
この指輪の鳩に…話し掛けてごらん。
きっと、小絵を守ってくれるわ…わかりましたか…
小絵」
女神のような女は優しく微笑んだ。
-わかりました。
ありがとうございます…
あの~私ひとつだけお願いがあります。
あなたは、いったい…
誰なのか教えて下さい-
「そうねえ…
わからないと不安でしょうね。
じゃあ、教えましょう…
私は、ギリシアのディオ-ンの町から望む………
オリュンポスの山に住む ム-サイなのです。
はるか遠い昔から、今もそこに住んでいるの…
名前はレイアというのよ」
女神のような女が語る…
不思議な物語♪


