そのあとすぐに、小絵は息子の碧を抱き抱えるようにして、家の中に入っていた。
不吉な予感がしたからだ。 結城がやって来るとしたら、
八時である。まだかなりの時間がある。
小絵と息子の碧は、疲れてベッドで眠ってしまっていた…
やがて、小絵は夢の中にいた。その夢の中に一人の女神が現われていた。
年の頃は三十才くらいの…髪は金髪、ロングで天然パ-マがかかっていた。
目は紺色に近いブル-だ。 頭の冠が美しい…
ドレスの裾は床につきそうだ。
「小絵よく来た…
お前は、われら一族の娘。
会いたかった。ほんとうによく来てくれた…」
その女神のような女は、そう小絵に言ったが、小絵にはさっぱりわからない。
その女神のような女が、小絵を引き寄せ抱き締めた。
『いったい誰…
私を一族の娘だと言ったが、正体不明だわ』
「小絵、右手を出してごらん♪
そう自分の手をかしてごらん…」
その女神のような女が、小絵の差し出した右手を取り、
薬指に指輪をはめてくれたのだ!
その指輪には…何と小さな鳩がついていたのである。
…鳩は大理石で造られ、
乳白色をしていた。


