見送っている、マンマの立つ石畳には、


もう、午後の日差しが差し込んでいる。


その場所に咲く花は、嬉しそうに、日光浴をしているみたい…


その石畳からは、いつもなら自転車に乗るところだが、


狭い路地を走らせることが、小絵は出来ない。


だから、今にもはち切れそうな、トランクの取っ手を 引っ張り出し、


小絵はそれを後ろ手にして 歩きだしていた。


狭い路地を通り抜けたら、 表通りだ。


タクシー乗り場へと急いだ。

そして、タクシーに乗り、一路、ペレストラ空港へと向かう-


その空港は、フィレンツェの北西にあった。


もうすぐだー
日本からのお客様がやってくる。


いつもと同じように、どんな人達なんだろう?


期待と不安とが、入り交じり、小絵の胸が-


ざわざわと騒がしい。


やがて、空港に着いた小絵は、タクシーをそのまま- キ-プしておき、


荷物は車内に、
そのまま、置いておくー


ミラノから、乗り継いで、 このペレストラ空港に、降り立つのだが-


もう、まもなくだ!