やがて時は流れて…
あのカプリの最後の夜から…早三年もたっていた。
この別荘に住むようになってから、毎年レモンの木が植えられていて…
そのレモンの木は、鉢植えにされていたから、
数え切れないくらいの鉢でテラスは、いっぱいになっていた。
テラスのパ-ゴラには、ブ-ゲンビリアの花が咲き乱れ南国のようだ。
そのパ-ゴラの下には、良く見ると、ブランコや滑り台が置かれている。
小絵に男の子が生まれ、
碧(ひかる)と名付けられていた。
いつもは、小絵は碧二人で暮らしている。
そんな二人の暮らす日々…今日も、いつものように日が暮れて…
島の夕日は山の向こうに、隠れてしまい、
海に浮かぶ、牡蠣のいかだはカモメのお宿になっていた。
そして、暮れた海にはさざ波が立ち、いつの間にか…
空から、月を誘うと…
その下の海には月がいた。
静かな波に静まり返る夜だった。時計を見ると八時をさしていた。
いつもとは違って風も静かな夜だ、小絵は結城を待っていた。


