島の夜は、月と月の光りとヨットに海と波…
ドラマのセッティングとしては、上々かもしれない。
そういえば、三島由紀夫の小説も小島が舞台であった。
〔潮騒〕という小説だが、 美しい海女との恋物語であるが、
どこか、二人は似ていると思った。
ただし、それにはぴったりとはいかなくて…
逞しい純情な青年という、配役を…逞しい純情なは…
いいとしても、青年というのは、中年としないと駄目。
それに、小絵は海女ではなくて、女神とでもしておこう…
それに、この島も海もカプリ島じゃなくて、日本の海である。
しかし、女神と中年男との恋にしては、あまりにも…
ロマンチック過ぎるし、
あまりにも、ファンタジーである。
しかし、もう小絵の別荘のテラスでは…
その不思議なことが、起きていた。
テラスのレモンの木やオリ-ブを見ていると…
生き生きとしてきて、そのうちレモンの木が揺れている。
不思議なのは、小絵が結城に愛されて、
喜びにうち震えるたびに… そのレモンの木が揺れて、
辺りには、レモンの香りが漂うのだった。


