ノクタ-ン ♪ プリ-ズ・Love

やはり、小絵が想像していたとうりだ。


その建物の階段は、海岸から二階へと架けられている。


階段を上がりつめたら、
広いテラスになっているようだ。


そこが、出入り口になっている。つまり玄関だろう。


その下の海には、小さいながらも桟橋が付いている。

ヨットは、その桟橋に係留するのだろう。


結城は器用な手つきで、
ヨットを操縦している。


その桟橋に近付いているが、着岸の数分前には、


エンジンをバックに入れ、 行き足をとめた。


その後、ヨットのスピードを超微速にして、


その桟橋へ着岸のアプローチをしていた。


そして、無事着岸に成功すると、

こんどはヨットのセ-ルを降ろしていた。
大変な作業である。


小絵には手出しできそうもない、た だ黙って見ているだけだ。


最後に結城は…
そのヨットの帆、セ-ルを丁寧に畳んでいた。



よほど大事なのか…
子供を扱うようにしている。


その間、終始無言だった結城が、やっと、口を開いた。


「ああ…やれやれだ。
これで、少々の風が吹いても大丈夫だ。


お待ちどうさま」


-こちらこそ、何もお手伝いできなくて、ごめんなさい。
お疲れさま-



「小絵…♪
僕は、これでも男なんだよ。
まだ、これくらいのことは、わけないさ♪ 」


-ほんとね♪
あなたは、ずいぶんタフな方だわ。

これくらいは、平気よね -


「ありがとう♪
思いやりのある、言葉だねえ~、

小絵は優しいこだ♪」



-あなた、ほんとうに~
ここなのね♪

私が、想像していた以上のところだわ -



「偶然だったんだけど…
友人に何気なく話をしていたらね。


それなら、ここにあるよ… それを聞くと、すぐにね。

見にきたんだよ。
それが始まりなんだ」



-ありがとう♪
嬉しいわ。あなた…
私は幸せな女ね-



結城は、すごく嬉しい様子…小絵を追い立てるようにこう言った。