魔女の瞳Ⅵ

一度閉じた呪眼の右目を、ゆっくりとまた開く。

大地を、空を、風景を。

枯れ果て朽ち果てた不毛の荒野が、赤紫色の不吉な曇天が、生命の存在を許さない死の領域が塗り替える!

本当に容赦も躊躇も逡巡も、微塵もなく。

私はデッドゲイト禁呪『異界開門』を行使した!

広がる『この世ではない世界』。

その異世界に対し。

「なんて事をっ!」

サリィも右手に発動させた『氷刃』の魔術で腹部を自ら貫き、即座に膨大な魔力を収束させた。

彼女を起点として、別の『異世界』が鎌首をもたげる。

同じ『暗さ』の世界でありながら、私の塗り替えた『昏さ』とは違う。

同じ魔法でも、術者が違えば『色』も違う。

これはサリィ・デッドゲイトの『異界開門』。

同じ戦場で、二人のデッドゲイトが、同一の禁呪で、異なる『異界』を開門していた。