魔女の瞳Ⅵ

何も考えていなかった。

真っ向から立ち向かえばいい的になってしまう事も、魔術の撃ち合いでは無詠唱のサリィに分がある事も、これまでどう足掻いても太刀打ちできなかった事も。

何も考えず、ただサリィ・デッドゲイトという『仇敵』に感情のまま襲い掛かる!

「     っ!!」

出し惜しみするような冷静さは皆無。

いきなり『消滅』の魔術を行使する!

「くっ!」

同じ『消滅』の魔術で相殺するサリィ。

しかしその間隙を縫い、私は『氷棺』の魔術を行使する!

膨大な魔力量を注ぎ込み、相手を決して砕けない氷の棺に閉じ込める水属性最上位クラスの魔術。

それをも。

「メグッ!」

サリィは『獄炎』の魔術で相殺した。

「母親に対して『氷棺』の魔術を行使するなんて…貴女何のつもり!?」

「何のつもり…?」

私は冷ややかな眼差しでサリィを一瞥した。

「殺すつもりよ」