幼子のように泣く醜い食人鬼。

その姿は余りにも憐れで、余りにも忍びなくて…。

私はただ抱きしめた。

そうするしかできなかった。

稀代の魔女と呼ばれたこの四門メグでも、最早どうする事も出来なかった。

ほんの少し前まで、手を伸ばせば救う事のできた少年。

もう少し私が努力すれば、助ける事のできた最愛の人。

その運命を、私はまたもその手からこぼしてしまった。

修内太を抱きしめたまま、私は慟哭する。

まただ…。

私はまた救えなかった。

エリスを失った時、こんな悲しみは二度と味わいたくないと思った。

数百年生きようと流す事のできない量の涙を流し、慟哭した。

なのにその悲しみから立ち直り、やっと掴みかけた幸せを、またも…!

私はまたも、その手からこぼしてしまった…!

抱きしめ合い、泣く。

ただ、慟哭する。

私は…私はまたも…同じ過ちを犯してしまった…!!