魔女の瞳Ⅵ

空から降りてきたお母様は、洋館に向かって言う。

魔力を帯びたその声は、大気だけでなく精神をも震わす効果があった。

「修内太君。お遊びはここまでにしましょう。私もいい歳をしていつまでも貴方と追いかけっこをする趣味はないわ」

…その声にも、洋館からの反応はない。

「そう」

お母様の手がゆっくりと上がった。

「どうしても燻り出されたいのね?」

その手が何らかの魔術を行使する。

その前に!

「この場を預かった以上、何もさせぬ!」

痺れる体に鞭打って時貞が。

「修内太もお姉ちゃんも、手出しさせない!」

震える体に檄を飛ばして菊花が。

得意の攻城刀と死霊魔術でお母様の進路を阻む。

それすらも。

「もう貴方達の出番は終わりよ?さっさと幕の外に引きなさい」

お母様の無詠唱魔術が蹴散らした!