世界が真っ白に塗り替えられた。

それは閃光。

それは爆発。

それは燃焼。

それは消滅。

眼下を、周囲を、お母様の視界におさまる全てを。

全てを無に還すような凄まじい衝撃が広範囲を包み込む。

『爆滅』の魔術。

恐らく殺傷系魔術の中では最高峰に位置する、戦略級大魔術。

対個体ではなく、対複数、しかも数百人、数千人を対象とした広範囲破壊を目的とした魔術であった。

並みの術者や人外ならば、白の世界に包まれたと思った瞬間には痛みも感じずに消し飛ばされている。

お母様のような魔女が本気で行使すれば、世界地図を書き換えなければならないほどの破壊力を引き出せる。

それほどの魔術だった。