どうあっても修内太の居場所を教える気はない。

時貞の確固たる決意に、お母様も腹を決めたらしい。

「どんなに苦痛を与えた所で、貴方の心を折る事はできないでしょうね…私も貴方一人に手間をかけているほど暇でもありません。故に…」

フワリと。

お母様の身が中空に浮き上がる。

その身は生い茂る木々よりも高い位置に。

ちょうど森を眼下に見下ろせる位置だ。

まさか、上空から蘭花の洋館を探索する…?

いや、お母様はそんな安直な真似はしない。

もっと効率よく修内太の居場所を掴む方法を取る筈。

いえ、或いは居場所を掴むのではなく…。

「!!」

私はお母様の真意に気づき、声を上げる!

「菊花!時貞と一緒に結界で防御を!」

勿論私もだ。

麻痺したままの体を包み込むように、呪眼で障壁を張る。

そして次の瞬間。