樹上から降り、菊花は時貞の隣に立つ。

「サリィ様、お初にお目にかかります。メグさんのお母さんなんだってね」

そう言って菊花は身構える。

「無礼を承知で言うよ。私は初対面の貴女よりも、顔見知りのメグさんの方につくよ」

「右に同じく」

時貞も眉一つ動かさずに言う。

「……」

険しい表情のまま、お母様は二人を睨んだ。

そして!

「!!!!!」

無詠唱の『烈風』の魔術で二人を吹き飛ばそうとする!

時貞は菊花を抱きかかえ、咄嗟にその刀剣…攻城刀を地面に突き立てて風をしのいだ。

「どうしてこの国にはこうも愚か者ばかり集まるのかしら…手間をかけさせてくれるわ…!」