「これに懲りたら朝早く来るんだな」
ははッと私に向けられるみんなの笑顔。
なんとか担任の機嫌を損ねるような真似をせずに済んでホッとしていた。
キーンコーンカーンコ~ン
6時間目の授業の終わりを知らせるチャイム。
「はぁ~終わったねー」
何だか今日1日朝起きたことが頭から離れなかった。
何時間目に何の授業を受けたのか全く覚えていない。
覚えていないというよりは,授業に身が入らなかった。
「ちょっとーなんか柚放心状態だったよ。大丈夫?」
「う…ん。大丈夫だよ」
飛鳥は私の席の斜め前。
私はいつも飛鳥の綺麗な栗色に染まったボブの髪を見つめている。
可愛いなぁ~なんてね。
羨ましいとも思っている。
