「ぇっ…?」


涙がうっすらと大きな瞳を包み込む。


はぁ…結局私の自由時間は全て弟妹たちに奪われてしまうんだ。




「分かったから~萌も早く幼稚園行きなさい」



「わ~い!ユズちゃん大好き」



この一言が聞けただけで十分です。



さぁやっと私は学校へと向かうことができる。



はいいけど…。

何か中学生いなくない?
同じ学校の制服を着た生徒が見当たらない。



ひょっとしてこれは…遅刻かも!?

「やーばーいー!遅刻だよ~」


気づいたら私は叫びながら全速力で走っていた。

こちらに向けられる視線など気にせずに。