「俺,柚先輩見てると虐めたくなっちゃうんだよね」
私の唇に触れる彼の指。
形を確かめるように,唇の周りをたどる。
彼の目はまるで笑っていない。
何を考えているのかさっぱりわからない。
「な…に…?」
「だから,いつもニコニコ笑顔で男たちに愛想振りまいて。
男たちがいやらしい目で見てるのに全く気づいてないあなたを
虐めてみたくなるんですよ。」
無性にね
愛想…?
私はただいつも元気でいたいから
笑ってるだけ
ムリして笑顔つくって
笑っているのは
本当の自分を隠すため。
私は弱いから
常に笑っていないと
不安に押しつぶされそうになるから。
愛想振りまいてるつもりなんて一切ない。
