子猫のような君を見て



「大丈夫だよ~んじゃ,また明日ね♪」

「はいよ~またね」

飛鳥と別れ,急いで家へ向かう。


既に待ち構えているであろう…


ワガママ弟,妹たちの元へ。






ガチャ


「ただい…『おかえりユズねぇ!!』



ただいまも言わせてくれない隼人。

私のただいまという声はいとも簡単にかき消された。



「はぁ…ただいま…」


疲れる。
ギャアギャア騒ぎまくる弟を見るだけで
頭が痛くなる。


「ユーズーねぇ~ボーンマン!」

「ユズちゃんーミカちゃんー!」


2人に早く遊べとせがまれる私の身にもなってほしいよ,お母さん。



神崎家の母は,今頃近所のお母様方とお茶会を楽しんでいるであろう。


それが母たちの日課だから。
口出ししようものなら…


誰が毎日ご飯作ってる?

誰が毎日洗濯物してる?


口を開いたらきりがないほど出てくる嫌み。


これほど疲れるものはない。




母がいない以上,私が弟たちの面倒をみる他ない。


父は単身赴任中。
家にはいない。