「好きなんだ…」 コップから溢れる水のように、自然に口にでていた言葉。 上司と部下って関係が怖くて、言えなかった言葉。 雨が俺たちを包む。 スーツが水をすって重い。 先輩の震える腕が、俺の背中にまわる。 早く帰らなきゃ風邪ひかせる。 頭ではわかっていても、腕を離してやれなかった。