僕は階段を全速力で駆け上がる。

懐中電灯はとっくのとうに電池切れ。頼れるものといったら、窓から指す月の光のみ。

階段は螺旋状になっていたから2,3度落ちかけた。月の光がなかったら、僕は100パーセント落ちていたことだろう。





「はぁっはぁっ・・・・・・はぁっ」

遂に3階にたどり着いた。僕は肩で呼吸をする。



・・・・・・立ち止まって休む暇なんてなさそうだ。

だって_________



パァーーーーン・・・・・・パァァァン・・・・・・!!!

本日何度目かの銃声。



耳を塞ぎたかった。でも、出来なかった。




だって、だって・・・・・・。



「・・・・・・・・・・・・」



僕の目の前に、お母様が倒れこんできた。


口から大量の血を吐きながら、まるで僕に見せ付けるように・・・・・・。


僕は何もできなかった。何もせず、ただつっ立ってるだけだった。


お母様はそのまま僕の横を通り過ぎ、僕が今さっき上ってきた階段から、転げ落ちて行った・・・・・・。




「お母様あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」