「あっ、うん」


私はひどくゆっくりなスピードで、制服に着替え始めた。


「でっでもさ、まだ海決定じゃないでしょ?」


「だから早く、朝ごはんの会場に行こうって言ってんの!」


「はい」


私があまりにもゆっくりなスピードで着替えてるから、由衣がちょっとイライラしてきた。


朝ごはんの会場で、「今日、海に入ることは中止になりました」


その言葉を聞けるように祈りながら、急いで着替えた。


朝ごはんを食べてるとき、学年主任の先生から報告があった。


「今日は当初の予定通り、海に入ります」と。


その声に、会場がザワザワ騒ぎ出した。


先生の説明によると、気温も水温も問題ないそう。


昨日の雨で少しだけ水が多いけど、大丈夫な範囲なんだって。


盛り上がる会場の中で、私は一人ため息をついた。


さっき着替えてるときに、見つけてしまった。