秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編③

小さな声で、呼んでみる。


返事は・・・ない。


由衣が眠ったのを確認して、私は部屋を抜け出した。


自分の部屋の鍵と、秘密の鍵を持って。


慎重に、足を進めてく。


私たちの泊まってる5階より下には、私たちの学校の人は誰もいない。


男子は上だし、先生たちの部屋は女子と男子の階にはさまれてるから。


でもたまに、見周りの先生たちがいるんだよね。


ゆっくり歩いたけど、誰にも会わずに済んだ。


たぶんもう、みんな部屋の中だ。


303号室の鍵を、カチャンと鳴らす。


ドアを開けると、龍矢の姿がそこにあった。


「龍矢」


「おいで、美和」


その言葉に、龍矢の胸に飛び込んだ。