秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編③

「あっ、降ってきた」


それでも最初はゆっくり歩いてたけど、だんだん雨が強くなる。


私たちの足は、だんだん小走りになり、更には本格的に走りだしてしまった。


「はー最悪」


幸い、雨が強くなったのはホテルの入り口前。


ビチョビチョに濡れることはなかった。


「はい。お疲れ様」


ホテルのロビーに入ると、龍矢が先生スマイルで私たちを迎えた。


班長の由衣が、全員居ることを伝えた。


「風邪引かないようにしてくださいね」


「はーい」


私たちが部屋に戻ろうとしたとき、龍矢が私の手に何かを握らせた。


「部屋の鍵。一個渡しとく」


誰にもわからないように、そう呟いて。


「ちゃんと風呂で温まれよ。風邪引くから」