秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編③

心の中で、欲しいって気持ちと持って帰れないって気持ちがぶつかってる。


「諦めよう」


どう考えても、りゅーちゃん並のこれを持って帰るのは無理だ。


「残念・・・」


私が肩を落としたとき、誰かに腕を引かれた。


「えっ?ちょっと・・・」


館内は少し暗くて、誰だかはっきりわからない。


「龍矢?」


私の声に、腕を引っ張っていた足が止まった。


「よくわかったな」


すっと眼鏡を外して、こっちを向いた。


「だってこんなことする人・・・」


その後の言葉は、キスで言わせてもらえなかった。


「ちょっ、誰か来る」


「大丈夫」