秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編③

ダメだ、私。


なに考えてんだろ。


でもこの数十センチ。


この距離が、近くて遠い。


今日も明日も明後日も。


こんなに近くに龍矢がいるのに、一緒に居ることが出来ない。


「美和、あっち見に行こ」


由衣が私のカバンを引っ張った。


「あっ、うん」


由衣に連れられて、龍矢の傍を離れてしまった。


旅行は楽しい。


でも、ちょっと寂しい。


首里城の中を一通り見終わると、バスで次の場所に移動した。


「みなさん、首里城はどうでしたか?」


バスの中は、相変わらずガヤガヤしていた。