玲華と蓮は校長室へと

呼ばれた。そこには、既に

玲華のお母さんが来ていた。

「玲華…!」


 お母さんは安心したのか

玲華の姿を見て泣き出してしまった。

「おお、二人とも無事だったか。

そこのイスに座って」


 校長先生はソファに手を

差し伸べた。

「科野くんのお母さまからね、

昨日電話をいただいたんだ。何でも

うちの娘が帰ってこないだとか」

「はい…」


 玲華は小声で返事をした。

「昨日は帰宅をせず…、今日は

学校に来ない。一体どうしたんだい?」


 玲華は話すべきことはたくさんあると

自分でも分かっていたけど、何故だか

口が動かないのだ。

「監禁されてました。それは俺のせいです」


 蓮が口を挟んだ。お母さんは驚きの顔を

隠せないし、校長先生はゆっくりと顔を

蓮に向けた。

「ほぉ、もっと詳しく教えて」

「昨日、科野は委員会、俺は部活で

下校時間が重なったので、一緒に

帰る約束をしていたのです。ですが、

その帰ってる途中、俺がつるんでいた

ヤクザたちに絡まれたんでです」


 蓮は堂々を何ひとつ隠さず正確に

自分が組織にとって重要な人物であった

ことから全部話した。