玲華も昨日の時点で薄々

気にしてはいたのだが、それ以上に

大事なことがあったから、たぶん

許してくれるだろうと思っていたのだ。

「今から学校行くぞ!

お前の親いるかもしんねぇ」

蓮は制服を上からはおり、

玲華を連れて家から出た。

「玲華、後ろ乗って」


 蓮は自転車の鍵をはずし、

玲華を後ろの荷台に乗せると、

勢いよく走り出した。

 学校まで自転車で15分。

玲華は蓮の腰につかまり、

学校に着くのを待つ。

その間はどうやったら自分たちの

話を信じてくれるかずっと

考え込んでいた。

「あ、あれ…厚真だ」


 学校が見えてきて、

校門の前に体育科の厚真が

立っている姿が見えた。

「あ、いた!科野!

お前どこ行ってたんだ!

親御さんが心配しただろ!」

「すみませえん…」

「ホントのこと言うから」


 蓮はあまり口を動かさずに

して言った。

「分かった」